大腸カメラとは
先端に明るい照明と高画質カメラがついた細いスコープを肛門から挿入して、大腸全域の粘膜の状態を確認できる検査で、大腸がんの早期発見が可能な唯一の検査です。
日本における罹患者数、がんによる死亡者数でも、大腸がんは常に上位を占めています。進行が比較的遅いのですが、かなり進行しないと自覚症状に乏しいため発見が遅れるケースが少なくありません。ところが、大腸がんは早期に発見できればお仕事などにも支障を及ぼさずに心身への負担が少ない治療で完治する可能性の高いがんです。
大腸カメラ検査は大腸がんの早期発見が可能なだけでなく、検査中に将来がん化する可能性がある大腸ポリープを発見した場合、その場で切除する日帰り手術を行うことで大腸がん予防も可能です。
大腸カメラ検査では組織を採取して病理検査を行うこともできます。これによって大腸がん、放置するとがん化する可能性がある大腸ポリープ、難病指定されているクローン病や潰瘍性大腸炎など幅広い大腸疾患の確定診断が可能になります。
事前準備として前日の食事制限、当日の下剤服用を行う必要がありますし、従来の手法を用いた場合には苦痛や膨満感を起こしやすいため大腸カメラ検査は敬遠されがちです。当院では、検査経験豊富な医師の技術力を生かせる高度な内視鏡システムを導入し、安全性を高めた最新の手法を取り入れることで、不快感を最小限に抑えた検査を行っています。
富士フイルムの最新内視鏡システム「ELUXEO 7000システム」導入
当院が導入している富士フイルム社製の最新内視鏡システムは、発光強度比を制御できるLED光源を搭載しているため、白色光だけでなく、短波長狭帯域光による観察が可能です。また、観察目的に合わせた画像処理を行うことで最適な画像を作成できるマルチライトテクノロジーによって、早期の微少ながんの発見と観察、炎症の的確な診断に役立ちます。画像強調観察BLI/LCI機能によって粘膜表層の構造や色の変化を強調表示することで、微少な違いを際立たせて病変の素早い発見や詳細な観察をサポートします。
光学拡大倍率約145倍による精緻な観察
1.5㎜の距離にあるものを観察可能なレンズは、約145倍まで拡大が可能ですから、微少な病変の発見や疑わしい部分の詳細な観察が可能です。こうした精緻な観察が、早期発見や正確な診断につながります。
当院の大腸カメラの特徴
1.リラックスした状態で検査を受けられます
当院では、患者様の心身への負担を最小限にするために、鎮痛・鎮静剤を用いた内視鏡検査を積極的に行っています。身体に余分な力が入らないので、短時間で精密な検査が可能になります。鎮静剤の効果には個人差がありますが、苦痛や不快感を覚えるケースはほとんどないとされています。
当院で行っている鎮痛・鎮静剤を用いた検査は、深いリラックス状態にするものであり、一般的な無痛検査のように大量の鎮静剤などを使って眠っている間に行う検査とは異なり、呼びかけへの応答や会話も可能です。検査への抵抗感が強く、完全に眠っている間の検査にも調整ができますので、ご希望がありましたらご相談ください。
2.次世代内視鏡システム導入
3.炭酸ガスを使用
4.検査中に発見した大腸ポリープはその場で切除可能
大腸がんのほとんどは長く放置された大腸ポリープから発生しています。当院では大腸カメラ検査で発見した大腸ポリープをその場で切除する日帰り手術を行っています。これにより、検査・治療・大腸がん予防を1度で行うことができます。別の日に改めて切除スケジュールをつくる必要がありませんし、事前の食事制限や下剤服用も1回ですみます。ただし、ポリープのサイズが大きい、または数が多いことがまれにあり、その場合は入院可能な連携医療機関をご紹介してできるだけ早く切除できるようサポートしています。
5.負担を軽減する無送気軸保持短縮法
6.安全性が高く楽に受けられる最新の「水浸法」を用いた挿入
水浸法は、少量の水を注入して腸管が広がった部分にスコープを通し、水を吸って再びその先に注入することでスコープを進ませます。腸の形状や癒着の有無などどんな条件の場合も膨満感や苦痛がなく、安全性が高い検査を短時間で行うことができます。当院ではフットスイッチで自動的に水の出る自動送水装置を使用することにより両手をスコープから離すことなく送水が可能なため微細なスコープ操作が可能です。
7.ストレッチャーに横になったままリカバリールームに移動
8.胃カメラと大腸カメラの両検査を1日で受けられます
当院では、胃と大腸の内視鏡検査の両方を1日で受けていただけるようにしています。検査スケジュールを別につくる必要がなく、事前準備も1度ですみます。胃がんと大腸がんは共に40歳を超えるとリスクが上昇しはじめますので、同日検査によりお忙しい方でも両方の検査を受けられます。ただし、可能かどうかの判断は医師の診断が必要ですので、まずはご相談ください。
9.土曜日と日曜日の内視鏡検査が可能
10.木曜はレディースデイです
11.検査室ではブルーライトで病変の視認性を向上させています
12.インターネットによる予約が可能です
当院ではインターネットから24時間いつでも予約が可能です。できるだけ患者様の待ち時間が少なくなるように院内環境を整えております。
大腸カメラ検査の流れ
1前日
前日の三食は消化の良いものを食べます。前日朝から、牛乳・コーヒー・紅茶・アルコールを避けてください。
夕食は21時までにすませてください。ご自分で準備するのが難しい場合には、検査食を食べていただく方法もありますので、ご相談ください。
透明で糖分が含まれていない水分は、制限なく飲んでいただけます。
事前にお渡しした下剤を服用してから就寝してください。
2当日朝
朝は何も食べないでご来院ください。
透明で糖分が含まれない水や薄いお茶は飲んでいただいて構いません。
普段、お薬を内服されている場合は、検査3時間以上前までに水で服用しますが、糖尿病治療薬やインスリン注射など、当日朝の内服や使用を中止する必要があるケースもあります。事前に医師と相談して服薬・休薬について説明を受け、その指示を守ってください。
下剤を服用する場合は、検査の3~4時間前になったら事前にお渡しした下剤を服用し、排便が落ち着いてからご予約時間までにお越しください。
ご自宅での下剤内服や通院途中の便意が心配な方は院内での下剤内服もできますのでご相談ください。
※なお、鎮静剤を使った検査では、ご帰宅の際の当日の車・バイク・自転車の運転はできませんので、ご来院の際もご家族の送迎か公共交通機関を利用していらしてください。
3ご来院から検査
便が透明になったことを確認してから検査を行います。
鎮静剤を使用した検査では準備として点滴を行い、検査直前に鎮静・鎮痛剤、腸の蠕動運動を抑制する薬を注入します。
検査の所要時間は、5~30分程度であり、検査中にポリープの切除や病理検査のために組織を採取することがあります。
4検査後
鎮静剤を使った検査では、はっきり目覚めるまで30分から1時間程度、リカバリールームでお休みただきます。
飲食は、検査後1時間以上経過してから可能ですが、ポリープ切除や組織採取を行った場合は3時間後に飲食が可能になります。
検査をした医師が結果をご説明しますが、鎮静剤を使わなかった場合、検査後すぐに説明を受けることもできます。なお、検査中に組織を採取して病理検査を行う場合には、結果が出るまでに2週間程度かかります。結果が出た時期に再度受診いただいて病理検査の結果をご説明しています。
ポリープ切除を行った場合はまた、刺激物・激しい運動・長湯・飲酒・遠方への移動を1週間程度控える必要があります。大腸カメラ検査のスケジュールを決める際には、大腸ポリープ切除が行われる可能性を考慮し、検査後1週間は出張や旅行の予定が入らない時期を選ぶようおすすめしています。
検査費用
1割負担 | 3割負担 | |
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大腸カメラ検査のみ | 約1,600円~約2,500円 | 約4,800円~約6,000円 |
大腸カメラ+病理組織検査 | 約3,000円~約5,500円 | 約9,000円~約16,500円 |
日帰り大腸ポリープ切除(日帰り手術) | 約8,300円~約10,800円 | 約24,900円~約32,400円 |
※使用する薬剤により費用が上記よりあがることがあります。
※生命保険会社、日帰り手術の給付がある方は記載書類をお持ちください。